西洋骨董屋 フランスアンティーク 宗教画 聖母子像 油彩・銅板 [2017mers14]

西洋骨董屋 フランスアンティーク 宗教画 聖母子像 油彩・銅板 [2017mers14]

販売価格: 0円(税込)

在庫なし

商品詳細

 

フランスアンティーク

宗教画

聖母子像

油彩・銅板

推定18世紀後期

 

 

 

銅板の裏側

 

デッサンの片ボカシ法に似た、絵具のぼかし込みによるトーンの表現方法

新古典派の画家アングルとの共通点が見られる卓越した技法です。

ルーペで拡大して初めて描き込みが見えます。

何とも言えない素晴らしいテクニックです。

イエスの髪の毛の描き方はルーベンスと同じ解釈の仕方です。

明るい髪の部分は一部のハイラト以外は筆跡の隙間から見える明るい下地です。

拡大・肉眼では見えない描き込み。

 

入手後何日か眺めて居ますが、溜息が止まらない絵画です。

時間の経過と共に惹き込まれ、感動が増幅しています。

これは果たして個人で所有して良い物か?

もうこれ以上の作品は見つからないかも知れません。。

 

大きなサイズの薄い銅板に描かれた宗教画です。

銅板に描くと言うと不思議に思われますが、

絵画の支持体としては板と共に布のキャンバス等より歴史が古いです。

銅板に描く利点としては細密な表現に向いて居る事が挙げられるでしょう。

もう一つは油彩の中のオイル分が支持体に吸収される事が無く艶が保たれます。

絵具の厚塗りをすると金属の収縮率に付いて行けなく絵具が亀裂して剥落します。

その為に柔軟性のある溶き油を用いて薄塗りを重ねる古典技法に向いています。

 

人物画等は肌に白さの部分がしっかりとした明るい下地を置き、

その上にグレージングと言う薄く溶いた透明色で彩色して行きます。

15世期までの宗教画、例えばハンスメムリンクの作品等はグリザイユ技法とグレージングの

繰り返しと組み合わせで仕上げていたと思われますが、

この作品の技法はフランドル絵画の影響が見られ、

とりわけイエスの肌の表現方法の解釈にはアントワープ派と呼ばれる

ルーベンス初めヴァンダイクとヨルダーンスとの共通点が多く見られます。

 

 15世期の絵画技法との最大の相違点は若干不透明な絵具によるボカシ込み技法の出現です。

この技法はグレージングと同様に下の絵具が乾かないと進めない大変に手間と時間が掛かる手法です。

しかしそれにより人物の肌の表現は豊かさと温かさを獲得しました。

その後の19世紀を経て絵画はパレットの上で絵具を混ぜ合わて使う印象派の時代になります。

次第に古典的な技法は忘れさられラフェエル前派等による復興活動もありましたが、

新古典派のブーグロー等を最後に消えて行きます。

 


 

 

取り扱いの注意

古典技法の絵画は大変薄い何層もの絵具の皮膜で出来ています。

構造上、傷には大変弱いので取り扱いには最大限の注意を払って下さい。

技法が複雑ですので、修復は困難を極めます。

 

湿度・温度・直射日光にもご注意ください。

 

 


 

厳重梱包になります。

お急ぎの発送はお受け出来ませんのでご了承下さい。

 


 

SIZE

46,5cm×38,5cm

38cm×30cm

1130g

 

 

 

 

VENDU

 

 

 

アンティークやブロカントの掘り出し物を、現地での機動力と情報収集力を活かし、フランスを中心に欧州各地から探し出し、現地ボージョレよりお届け致します。時を経て更に存在感を増して行く様なモノをお届けしたいと思っています。